「全圧連 全国統一安全・技術講習会」の意義と経緯について
コンクリート圧送業務に携わる者(圧送技能者・圧送従事者)は、コンクリートの基礎知識とコンクリートポンプ工法の専門知識、および十分な経験が必要とされます。加えて安全に対する十分な知識が、災害事故の防止に必要です。
全圧連は1977(昭和52)年より、「コンクリート圧送工事業に係る自主安全・技術教育を全国統一水準をもって実施し、コンクリート圧送技能者の育成と安全意識の高揚および高度な新技術を習得させるを以て労働災害の完全撲滅を図る」ことを目的としたOFF-JT(職場外研修)である、「安全・技術講習会」を全国各地で開催しており、会員企業の全従業員(圧送技能者・圧送従事者)に毎年1回、この安全・技術講習会の受講を励行しています。
コンクリートポンプ車が急速に普及した昭和40~50年代、コンクリート圧送工事業の労災保険は建設現場(元請)の労災保険の対象外で、独立適用となっていました。
建設業の下請であり、かつ建設構造物の重要な部分を占めるコンクリートの打込みに直接関わり、中心的な役割を担う職種でありながら、当時の圧送工事業者は「その他建設業」として高い保険料率を強いられていたのです。 このため、当時全圧連では、コンクリート圧送工事業の労災保険の現場労災適用を目指し、継続した安全教育の徹底に努める会員の取り組みを訴え、関係各所への陳情活動を続けました。
建設業の下請であり、かつ建設構造物の重要な部分を占めるコンクリートの打込みに直接関わり、中心的な役割を担う職種でありながら、当時の圧送工事業者は「その他建設業」として高い保険料率を強いられていたのです。 このため、当時全圧連では、コンクリート圧送工事業の労災保険の現場労災適用を目指し、継続した安全教育の徹底に努める会員の取り組みを訴え、関係各所への陳情活動を続けました。
そして、全圧連が毎年全会員を対象に実施し続けてきた「安全・技術講習会」が国に評価され、1985(昭和60)年4月、労働省(現・厚生労働省)より、「生コンクリートの圧送を行う事業に係る労災保険適用について」とする、建設事業として現場労災を適用するよう改正する通達が出されました(昭和60年1月30日、労働省発労徴第5号・基発第46号)。
コンクリート圧送工事業の現場労災適用は、「安全・技術講習会」を毎年受講する全圧連会員のみならず、会員外の圧送業者もその恩恵を受けておりますが、さらなる安全作業の徹底と技術・技能の向上に努めるべく、現在も、全国で毎年約4,400人の会員企業の圧送技能者・圧送従事者が本講習会を受講・修了しています。
「全圧連 全国統一安全・技術講習会」は自主的な教育であり、法的な義務づけはありませんが、その評価は高く、現在、土木学会・日本建築学会・日本コンクリート工学会など、本講習会修了者をコンクリート施工時に配置するよう明記する工事仕様書も多く出されてきております。また、本講習会の修了者による施工を指示する建設現場(元請)も着実に増えてきています。
なお、受講した会員企業には毎年「修了証明書」を発行しています。
全圧連 全国統一安全・技術講習会修了証明書類
企業用
個人携帯用
コンクリートポンプ車設置用
※コンクリートポンプ車設置用は、地域によって単協独自の仕様のものもあります。
全圧連 全国統一安全・技術講習会受講者数の推移(資料:全圧連)
「全圧連 全国統一安全・技術講習会」の主な講習内容について
共催する加盟単協(組合・協会)により、多少カリキュラムは異なります。
(1)労働基準監督署安全専門官または建設業労働災害防止協会
講師による安全講習
(2)総合建設業(ゼネコン)安全担当官による講習
(3)警察署交通安全担当官による講習
(4)コンクリートポンプ車メーカー技術担当者による講習
(5)各地域電力会社担当者による講習
(6)全圧連技術委員による安全・技術に関する講習
(※全国統一カリキュラム)
(7)その他、全圧連・単協で適当と認めた講師による講習
※講習科目は上記科目より4科目以上を年度別に選択し、4時限以上とする。ただし、(6)は必修とし、時間は2時限とする。
※(6)の全圧連技術委員による講習教材については、年度毎に全圧連技術委員会にて定める。